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2023-01-13 注目動産

この動産に注目! ― 産業資材 ―

 やや短めの年末年始の休暇を経って、また新しい1年の幕が開けられた。今年の干支は卯ということもあって、最近は「跳躍する」という言葉がよく耳にする。高く跳ね上がるという意味からポジティブなことへの連想につながりやすいものの、よく考えてみると跳躍する内容次第で素直に喜べない可能性も否めない。果たして新型コロナウイルスの感染者数が新記録に向かって跳躍するのか、ロシアとウクライナの戦争の泥沼化などを受けて世界情勢の混迷が深まることにより内外の物価がさらに跳躍するのか、それとも物価上昇率に応じて世の中の給与水準も跳躍するのか、年の入り口ではまだまだ見えてこない部分も多い。

 世界銀行はこの頃、2023年について最新の「世界経済見通し」を発表し、その中で世界各国の物価高騰、金利の上昇、投資の減少、それにロシアとウクライナの戦争が長期化する中、世界の経済成長は急激に鈍化しているとの見方を示している。世界経済の減速により、良くも悪くもこれまで高騰していた様々な原材料の価格の上昇圧力が緩和され、これによって物価コストが上昇する勢いも多少鈍化すると期待できるかもしれない。

 今回のテーマである産業素材については、その相場がすでに世界経済の減速懸念を織り込む動きとなっている。鋼材やアルミ、鉄スクラップ、ナフサ、木材、製紙用パルプなど多くの産業素材は昨年の中盤にかけて大きく上昇したが、その後はゼロコロナ政策を堅持する中国の景気減速や、米国をはじめとする世界各国の利上げによる金融の引き締めなどを受け、上昇トレンドが徐々に減速し、年末にかけてアルミ地金や鉄スクラップなど、一時期の高値と比べて価格が下げに転じる素材も出てきている。2023年の世界経済は世界銀行の予想通り一段と減速すれば、産業素材の価格の調整基調が強まる可能性も高まりそうだ。

 昨年末にかけて新型コロナウイルスの感染者数はまた増加しているが、行動制限も特段なく、経済活動の正常化に向けていろいろと前進している。政府は昨年10月に海外からの個人旅行の受け入れや、入国ビザ免除の再開などの水際対策の緩和措置を実施しており、国内だけでなく、海外との行き来もまた気軽にできるようになってきている。筆者としても卯年で「跳躍」できるなら、ぜひ飛行機に乗って海の向こう側に向けて大きく「跳躍」してみたい。

(孫記)

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