盛り上がるQRコード決済
4年に1度のビッグイベント、サッカーワールドカップが始まりました。日本はグループステージ第1戦でコロンビアを2対1で下す大金星スタート。FIFAランキング差45をひっくり返すジャイアントキリングに、日本中が熱く盛り上がっています。
同じく近頃、熱く盛り上がっているもののひとつにQRコード決済があります。今年の初めには、国内3メガバンクがQRコード決済で規格統一して連携するというニュースが話題になりましたが、既に楽天やLINEといった大手インターネット事業者、さらにはOrigamiなどの専業者やNTTドコモなどの携帯キャリアなど、各方面からの参入が相次いでいます。
QRコード決済は、中国のWeChat PayやAliPayなどを代表に海外での普及が先行しており、日本もこれに遅れまいとキャッシュレス社会を目指し始めています。もちろん、現金を持たない利便性や安全性など、キャッシュレスのメリットは理解をしているつもりですが、今回はあえてその必要について疑問を投げかけてみたいと思います。
そもそも日本という国は、国民のほぼ全員が財布を持っており、自分の現金をしっかりと管理する教養を身に着けています。そして国内のどこの店にいっても、店員は釣銭を間違えることなく計算でき、紙幣や硬貨のやりとりを確実にこなすことができます。また店員が欲に目がくらみレジから現金を盗むようなこともまずありませんし、偽札をつかませれることもほぼゼロ。ジュースや切符の自動販売機は故障することなく確実におつりを吐き出しますし、もし外出先でお金が足りなくなれば、街中のいたるところにあるATMで確実に現金を引き出すこともできます。キャッシングの専用機械もありますし、これらが突然止まってしまうようなトラブルもほとんどありません。
このような安全かつ強固な現金のインフラと教養ある国民が揃う国は、まず日本以外にないと思うのですが、果たしてキャッシュレス社会は本当に必要なのでしょうか?中国やアジアの国々でQRコード決済の普及が進んでいるのは、このようなインフラが整っていないからではないでしょうか?
今回はあえてネガティブな意見を述べてみましたが、私個人の本音はキャッシュレス大歓迎。クレジットカードはもちろん、小口の決済においても積極的にSuicaやnanaco、Edyを利用している派です。カバンから財布を出さずに買い物ができる快適さは、一度使ってしまえばやめられません。唯一の難点は、お店によって使える電子マネーの種類が異なること。これがQRコード決済において解決されるのであれば嬉しい限りであり、規格統一に向けた動きが、さらに盛り上がってほしいと願っています。
サッカー日本代表の次なる相手は、アフリカの強豪セネガル。今回もFIFAランキングでは格上の相手ではありますが、コロンビア戦同様にジャイアントキリングを起こし、日本をもっと、もっと熱く盛り上げてもらいたいものです。
(田中記)