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2017-06-21 Fintech

人工知能(AI)ブーム

世は人工知能(AI)ブームです。人工知能(AI)はこれまで、チェスの世界チャンピオンを破り、将棋のトップ棋士にも勝利していましたが、ついに昨年は囲碁の世界でも、人工知能(AI)の「アルファ碁」が韓国のトップ棋士を破ってしまいました。

囲碁は、チェスや将棋に比べて盤面がより広く、人工知能(AI)が人に勝つには相当時間がかかると言われていましたが、この勝利により人工知能(AI)の進歩のスピードを世に知らしめることになりました。

総務省・平成28年版情報通信白書(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/index.html)によれば、人口知能(AI)の利活用が望ましい分野に関して有識者にアンケートを行ったところ、「健診の高度化」や「公共交通の自動運転」、「救急搬送ルートの選定」、「交通混雑・渋滞の緩和」など、社会的課題の解決が期待される分野において利活用ニーズが相対的に高いという結果が得られました。対して、金融やマーケティング、コミュニケーションといった分野ではその利活用ニーズが相対的に低いという結果となっています。この結果だけを捉えると、人工知能(AI)のFintechへの活用は、残念ながらあまり期待されていないことになってしまいます。

しかし、金融はもともと大量のデータを取り扱う分野であり、蓄積されたデータを高度に分析することが要求されます。これまでは、これらの分析を専門化やアナリスト達が行ってきましたが、人工知能(AI)の登場により、データのパターン認識や分析がこれまで以上に高度化できます。例えば、口座への入出金データを分析してマネーロンダリングなどの不正取引を見つけ出すことや、投資判断を行うためのモデルを形成し、最適な投資の組みあわせやタイミングを利用者に知らせることもできます。このように人工知能(AI)が最も得意とし、活躍できる場が金融には沢山あるのです。

こう言ってしまうと、金融は益々無機質で高度なイメージとなり、ましてや人工知能(AI)を活用したFintechサービスなど、一部の人間にしか関係のないものと思われがちですが、決してそうではありません。そもそも、日本は人口減なのですから、面倒なことはどんどん人工知能(AI)に委ね、人間はもっと人間にしかできない部分に集中すべきなのです。人口知能(AI)やロボットが活躍する分野こそ、新たに得られた時間は、より人間同士のコミュニケーションに向けられることとなり、金融サービスも今後は人間臭さい分野での勝負になるのだと思っています。

これからの季節、デオドラント製品を利用する機会も増えてきますが、体臭や汗の臭いはしっかり抑えても、人間臭さは失わないよう、気を付けたいものです。

 

(田中記)

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