お知らせ&コラム

2017-04-20 Fintech

APIと部品化

今年も街にフレッシャーズがあふれる季節になりました。真新しいスーツに身を包み、希望に満ちた若者たちは街中では異彩を放ち眩いばかりです。私にもあんな初々しい時代があったのか?と我が身を改めて見てみると、今ではそんな面影はどこにも見当たらず、失望するばかり。

今月初めに大半の企業や官公庁が入社式や入庁式を開き、多くの若者たちが社会人の仲間入りを果たしました。共同通信社の調べによれば、今年の新社会人は約89万人と推定されるそうです。また、厚生労働省などによると、本年2月1日時点の大卒予定者の就職内定率は90.6%。特に流通業や建設業の人手不足は深刻であり、まさに学生優位の「売り手市場」が続いているそうです。

したがって、今年のフレッシャーズ達は例年にも増して、就職活動の苦労しらず。故に、一層初々しく見えるのかもしれません。いずれにせよ、社会人のスタートラインに立った若者たち。今抱く夢や希望を忘れることなく、間違っても会社の部品にならぬよう頑張って頂きたいものです。

部品と言えば、Fintechの世界は部品ブームです。各金融機関は自社のシステムを部品化して外部に提供する動きが活発です。そこで登場するのがAPI。

APIとは、アプリケーション・プログラム・インターフェースの略語で、特定システムの機能やデータを外部から手軽に利用できるように提供する仕組みのことです。APIという技術そのものは昔から存在しており、決して新しいものではありませんが、クラウドやモバイルの急速な普及によって様々なシステムが連携する機会が増え、近年注目を集めるようになりました。

先月は、金融庁金融審議会の「金融制度ワーキング・グループ」で進んでいた、「銀行APIを活用する中間的事業者に向けた制度」整備が、銀行法案という形で反映され、国会に提出されました。(法律の詳細はhttp://www.fsa.go.jp/common/diet/index.html)。
信用金庫界ではFintech企業に顧客情報を公開するための「オープンAPI共通基盤」を構築するなどの動きもあります。また、具体的に外部の企業とAPI連携で新サービスを開始するとの発表をする金融機関も新聞紙面等で多数見受けるようになっています。今やAPIは我が国のFintechの発展には欠かせない存在となっています。

さて今年のフレッシャーズの皆さん。FintechにおけるAPIのように、数年後には会社に欠かせない存在になっているのか?もしくは単なる会社の部品になっているのか?今からの努力次第ですね。頑張ってください!

(田中記)

一覧に戻る